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「きのね」と団十郎 [★伝統芸能]

■大谷図書館

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歌舞伎を見る前に、予習として『大谷図書館』へ。
こちらは書架式なので、事前に読みたい書物のタイトルやテーマを決めておかないと、こちらも司書さんも大変困ることになります。

蔵書の名前が分類されている引き出しがあり、そこから読みたい本屋資料のカードを引き抜いて受付へ持って行きます。
なかなか探し出せないでいると、司書さんが丁寧に声をかけてくれて、知りたいことを伝えると適当に見繕って持ってきてくれました。

読書部屋はあまり広くありません。持ち物を入り口のロッカーにいれ、ペンと紙のみ持ち込めます。多少不便に感じるとも、知りたい人にとっては非常に便利で、かつ貴重な時間を過ごせる資料館といえます。

きのね〈上〉 (新潮文庫)

きのね〈上〉 (新潮文庫)

  • 作者: 宮尾 登美子
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1999/03/30
  • メディア: 文庫

きのね〈下〉 (新潮文庫)

きのね〈下〉 (新潮文庫)

  • 作者: 宮尾 登美子
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1999/03/30
  • メディア: 文庫



私は今回は十一代目市川団十郎と、これから観劇する四谷怪談について。
「きのね」を読んでから、ふつふつと十一代目団十郎への好奇心が湧き起こってきた。
というよりむしろ、家政婦であったにも関わらず絶世の人気を誇った団十郎を射止めた妻・千代さんへの好奇心がはちきれんばかりになってしまった。
一目千代さんを見たい、きっとお顔を見たら、幼い頃から辛酸をなめた女性の生き様、それが伝わってくるはずと思い、検索するもネットで一枚も当時の写真がヒットせず、致し方ないので団十郎の生涯から想像に想像を重ねて我慢することにしたという次第。

●今回読んだ書物

・『十一世 市川団十郎/石井雅子写真集』―朝日ソノラマ(1981年/¥4800)
・『十一代目 市川団十郎 特集号』―歌舞伎座(昭和55年)
・『市川団十郎』前田青邨・大佛次郎』―淡交社 限定800部(昭和45年/¥9000)
・『錦絵に見る「東海道四谷怪談」の世界(NO20/図録)』―赤穂市立歴史博物館(平成17年)
・2004(平成16年7月~12月)歌舞伎座筋書
・『四谷怪談は面白い(横山泰子)』―平凡社(1997年)


特に『市川団十郎』には、前田青頓・大仏次郎という「きのね」でも登場した名士たちが追悼文を寄せている。きのねをなぞらえたような(いや、逆か)団十郎の姿がまるで旧知の間柄の人を思い返すように、脳裡に浮かんでくる。

団十郎は相当な癇癪持ちで、よく身内に当り散らしたと伝えられる。
現代だとDVと言われてしまいそうだが、一昔にはよくある亭主関白のひどい版と考えればよいか。
『きのね』で描かれたとおりの人柄だったようで、大佛次郎の述懐にも「決して遊び得ない不幸な美徳が身についていて、演技の間に凝集した火花のような悲壮な輝きをみせた」と記述があり、真面目なあまり不器用な方だったようだ。

熱した鉄に水をかけると激しく飛び散るがごとく、実生活でも気が散るような、余計なことが芸を濁すとばかりに攻撃をもってこれを打ち払う。それが下の者、家の者に多く向けられたのは生活と芸を上手く仕分けられなかったからなのだろう。
「余計なことを嫌う」という点で着物や化粧に現を抜かすようなお嬢様ではなく、彼と同じ様な生一本な千代さんだからこそ、団十郎も伴侶として選んだのではなかろうかという思いがより一層強くなった。
写真集の市川団十郎は、高貴な血が通っているような、えもいわれぬ気品があった。
生の芝居を観て見たかったものだなぁ。


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