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松竹大歌舞伎 巡業 中央コース 7/1 大田区民ホールアプリコ [★伝統芸能]

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◎概要
平成25年度(社)全国公立文化施設協会主催
中央コース
松竹大歌舞伎
中村歌昇改め 三代目 中村又五郎襲名披露 中村種太郎改め 四代目 中村歌昇襲名披露
平成25年7月1日(月)~7月30日(火)

7月1日(月) 夜の部 17:00開演
大田区民ホール・アプリコ 大ホール(定員1477名)

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■演目と配役
一、番町皿屋敷(ばんちょうさらやしき)
青山播磨   中村吉右衛門
腰元お菊   中村芝雀
並木長吉   中村種之助
橋場仁助   中村隼人
放駒四郎兵衛 中村錦之助
渋川後室真弓 中村歌六

二、三代目中村又五郎
  四代目中村歌昇 襲名披露 口上(こうじょう)
歌昇改め   中村又五郎  
種太郎改め 中村歌昇
中村吉右衛門  幹部俳優出演

三、連獅子(れんじし)
狂言師右近/後に親獅子の精 歌昇改め  中村又五郎
狂言師左近/後に仔獅子の精 種太郎改め 中村歌昇
僧遍念                    中村種之助
僧蓮念                    中村米吉



■番町皿屋敷

歌舞伎座よりリーズナブルで吉右衛門が出るとあっては、いかぬ手はない。
心配していた台詞の入りも、安定感のある演技で吹っ飛んだ。
多少どもる・つまるものの、一途に操を立てた女性に心を試された武士の矜持の高さや失望感、怒りなどよく伝わってきたし、芝雀も頬を汗のような涙で濡らしての熱演。

近くで見たので、どうしても若い情愛で突っ走る二人というより、永い間結ばれない盛りを過ぎた男女と見えてしまうが、まあそれは配役を決める側の問題ゆえ致し方なしとは思う。

年増になってもじっと耐えて播磨を待った菊が、若い女性との婚礼話を聞いて嫉妬の焔が胸にたぎってしまった…とやや勝手に脳内変換してあげると、大人の情愛、播磨の「一生一度の恋」という台詞も重く聞こえるではないか。

至近距離で観る吉右衛門は器も存在も大きく、花見の場で笠を上げずに階段を降りてきた瞬間からドキドキするものがあった。

最後、播磨が喧嘩の場へ赴く終演、簡易花道を走り抜ける時の真剣な横顔が忘れられない。

しかし、あの有名な怪談をよくここまで情のこわい恋愛物に仕立てたなぁ。
「一ま~い、二ま~い」と皿を割る場面を、播磨が「皿より菊の方が大事」という自分の思いを確かめさせるために割らせる場面に変える…なんて、岡本綺堂には頭が下がる思い。

■連獅子


はっきりいって、舞踊の所作のいちいちの意味はわからない。
だけど、上手いか下手かは、他人の歌が上手いか下手かがわかるように、やっぱりわかるのである。
歌昇は一つ一つきびきびと動きのキレが凄くて、体からエネルギーが立ち昇っているよう。若い赤毛の獅子。蝶と戯れる時も、「ぱくっ」と食べてしまいそう。泰然自若とした白獅子の又五郎とはまるで違う。
親子共演の連獅子にかける意気込みが伝わってくるようです。

花道で勢いよく飛んだ後、そのまま胡坐をかく所作があるが、そのときドーンと地響きが!
会場から驚きと感嘆の声、私もびっくりした。
そのまま座禅を組む赤獅子。荒い鼻息がこちらにもしばらく聞こえる。
ちらっと見ると目が合う。
あまりの男前に恥ずかしくなって目を逸らしてしまった(笑
役者の息遣いが聞こえて、なぜかこちらも緊張…。
その後、花道で毛ぶりもしますが、そのときも毛が触れるのじゃないかというくらい近くまで迫って…

大詰め、二人の毛ぶりは最初少しずれるものの、ほぼ息がぴったり合って見事でした。
時たま又五郎が親の顔に戻って、歌昇をみていた瞳が忘れられない。
最前列だとこういう発見があるのでいいですね。
すっかり種太郎改め歌昇の虜になってしまいました。



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↑松竹橋 の親柱


大田区民ホールアプリコのエントランスには、松竹撮影所前に架かっていた松竹橋の親柱(実物)が設置。松竹橋は映画『キネマの天地』の撮影で使用されたものだそうです。
キネマの天地、いい映画だったなぁ…渥美清が映画館で娘の晴れ姿を見ながら死んでしまうのだよね。


茜屋珈琲店 [老舗飲食店・和のお店]

■茜屋珈琲店

一幕見席を購入後、1時間半近くを持て余すので腰を落ち着けに。
歌舞伎座が再開場してからというもの、混んでいてなかなか入れなかったので嬉しい。

壁際のソファベンチのカバーの綻びも、棚上の古本の黄ばみも味わいの一つ。そこへ同化するご主人、全て絵になる喫茶店。
「店」とは無粋な、談話室とでも言いたい落ち着いた雰囲気。
珈琲の香りと木材の甘ったるい香が芳しい。

高いけれどうまいお菓子というネーミングがお茶目。
ブレンド珈琲は酸味が少し強く、こくがあるものだった。
聞いてみたらコロンビア産だとのこと。
冷たい珈琲のほうが味がしっかりわかるなぁ。ぜひそのまま何もいれず飲んでみて欲しい。
いつまでもここにあってほしい。

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六月大歌舞伎『御存 鈴ヶ森』 『助六由縁江戸桜』 [★伝統芸能]

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■鈴が森

幕見で鈴が森と助六。
雲助たちは以前TVで見た故・勘三郎版の【鈴が森】よりも芝居を急いでいるきらいがあった。
そのときよりもまして、だみ声で下品な彼らに対し、梅玉の白井権八は、すっと上品な物腰。上品を下って少し覇気が足りぬようにも。
後に登場する幡随院長兵衛の幸四郎は、風邪でもひいたのか少し声が掠れていた。

暗闇の大立ち回りで連想したが、歌舞伎のスローモーションは、まるで近年のハリウッド系アクションで多用されるスローモーションのようだ。
『所さんのそこんとこ教えて』というテレビ番組で、動いているもののなかで急に動きを止めると、人は注目してしまうと実験で検証されていた。
江戸時代で既にスローモーションを利用する緩急のつけかたという演技手法は開発されていたのんだなあと思うと、歌舞伎って凄い。
柝の音と共に見栄をきるのと、映画で音楽と共に顔にパンする手法も、似通っていると思う。


■助六

海老蔵の助六にびっくりした。
故・団十郎の「助六」の口跡にそっくり。
素人かじりの私にはわからぬが、これが「型」というやつだろうか。
わからないことを手取り足取り口伝する人がいない海老蔵は、これからどうやって「助六」をものにしていくのだろう。歌舞伎はやればやるほど毎回わからないことが出てくると、十一代目団十郎の声も伝えられていることから、大変だろう。
周りの兄様たちの助けもあるだろうけど、やはりVIDEOなど映像に頼るところは大きいのだろうか。
彼のブログで「ブログやめたいと思うほど、頑張ったんだよ」と記載されていたが、あながち大げさでもあるまい(ただなんで19日に限りそう思ったかはわからないが)
人間国宝の菊五郎の『白酒売新兵衛』、吉右衛門の『くわんぺら門兵衛』に絡まれて、福助の『揚巻』とがっぷり、左團次の『意休』と渡り合うにはちと荷が重いのではないか。
天分の存在感で見劣りはしないが、達者で老獪な兄様たちに囲まれてはさぞきついだろう。

三津五郎の通人は(比べるわけではないが)勘三郎に劣らぬ弾けっぷり。
「またぁ~、くぐれ」の台詞の後はまさかの「じぇじぇ」。
場内沸きに沸いた。
花道では「今日のことはツイッターでつぶやかなくちゃ」「海老蔵のブログのチェックしよ」など時事ネタで笑わす。
くだんの海老蔵のブログには、本当に三津五郎の写真がアップされていたからビックリ。
三津五郎のアドリブは今日限定だったのかしら。

しかし贔屓の引き倒しといわれようと、何をやらせても吉右衛門はうまい。口跡なめらかすぎて聞き取れない時もあるけど、それが江戸時代の口跡なのかしらんと思わせる。
菊五郎は割りとはっきり発音するが、二人のやりとりは流暢で、気持ちよくずっと聞いていたかった。
この日は大向こうが頗る多かったが、中村屋に「高麗屋!」と間違った屋号がとんだのにはビックリした。
それとも禿に高麗屋が出ていたのだろうか…?

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