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六月大歌舞伎『御存 鈴ヶ森』 『助六由縁江戸桜』 [★伝統芸能]

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■鈴が森

幕見で鈴が森と助六。
雲助たちは以前TVで見た故・勘三郎版の【鈴が森】よりも芝居を急いでいるきらいがあった。
そのときよりもまして、だみ声で下品な彼らに対し、梅玉の白井権八は、すっと上品な物腰。上品を下って少し覇気が足りぬようにも。
後に登場する幡随院長兵衛の幸四郎は、風邪でもひいたのか少し声が掠れていた。

暗闇の大立ち回りで連想したが、歌舞伎のスローモーションは、まるで近年のハリウッド系アクションで多用されるスローモーションのようだ。
『所さんのそこんとこ教えて』というテレビ番組で、動いているもののなかで急に動きを止めると、人は注目してしまうと実験で検証されていた。
江戸時代で既にスローモーションを利用する緩急のつけかたという演技手法は開発されていたのんだなあと思うと、歌舞伎って凄い。
柝の音と共に見栄をきるのと、映画で音楽と共に顔にパンする手法も、似通っていると思う。


■助六

海老蔵の助六にびっくりした。
故・団十郎の「助六」の口跡にそっくり。
素人かじりの私にはわからぬが、これが「型」というやつだろうか。
わからないことを手取り足取り口伝する人がいない海老蔵は、これからどうやって「助六」をものにしていくのだろう。歌舞伎はやればやるほど毎回わからないことが出てくると、十一代目団十郎の声も伝えられていることから、大変だろう。
周りの兄様たちの助けもあるだろうけど、やはりVIDEOなど映像に頼るところは大きいのだろうか。
彼のブログで「ブログやめたいと思うほど、頑張ったんだよ」と記載されていたが、あながち大げさでもあるまい(ただなんで19日に限りそう思ったかはわからないが)
人間国宝の菊五郎の『白酒売新兵衛』、吉右衛門の『くわんぺら門兵衛』に絡まれて、福助の『揚巻』とがっぷり、左團次の『意休』と渡り合うにはちと荷が重いのではないか。
天分の存在感で見劣りはしないが、達者で老獪な兄様たちに囲まれてはさぞきついだろう。

三津五郎の通人は(比べるわけではないが)勘三郎に劣らぬ弾けっぷり。
「またぁ~、くぐれ」の台詞の後はまさかの「じぇじぇ」。
場内沸きに沸いた。
花道では「今日のことはツイッターでつぶやかなくちゃ」「海老蔵のブログのチェックしよ」など時事ネタで笑わす。
くだんの海老蔵のブログには、本当に三津五郎の写真がアップされていたからビックリ。
三津五郎のアドリブは今日限定だったのかしら。

しかし贔屓の引き倒しといわれようと、何をやらせても吉右衛門はうまい。口跡なめらかすぎて聞き取れない時もあるけど、それが江戸時代の口跡なのかしらんと思わせる。
菊五郎は割りとはっきり発音するが、二人のやりとりは流暢で、気持ちよくずっと聞いていたかった。
この日は大向こうが頗る多かったが、中村屋に「高麗屋!」と間違った屋号がとんだのにはビックリした。
それとも禿に高麗屋が出ていたのだろうか…?

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