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とんきのトンカツ [老舗飲食店・和のお店]

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食卓の情景 (新潮文庫)

食卓の情景 (新潮文庫)

  • 作者: 池波 正太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1980/04/29
  • メディア: 文庫


池波正太郎先生の【食卓の情景】で歌舞伎役者・故市川中車が「(トンカツは)とんき以外はだめですよ」と激賞していたので、前から気になっていましたが、目黒に行くことがあまりないので忘れていました。
雅叙園のあと、レストランを探していて、たまたま「目黒 和食」と検索したらヒットして「そうだ、トンキ行こう!」と。
とりあえず検索してみるものですね(笑)

さて、入り口には行列がないので「しめた!」と思ったところ、中に長蛇の列。
そもそも壁際に沿って長椅子が並び、食事中の人の後ろで待つスタイルなのですね。
座れない人はそのまま列を作り、その列は二階にまで!

店内は奥に広く、厨房は清潔で簡潔ですが、奥まですっと伸びる白木のカウンターが清々しく、厨房で忙しく立ち回る料理人たちの所作はまるで舞台のよう。
90人収容できるそうですが、この日は日曜日。
結局一時間半待ちましたが、飽きることはありませんでした。
ちょっとわかりづらかったのは、長椅子に座る人が呼ばれて空席ができるときに、通常「詰める」と思ってしまいますが、ここではそうではなく、空いたところに立っている先頭の人が座っていきます。

それじゃ順番がわからなくなるじゃないか、と心配するのは私も含めて一見さん(笑)
とんきでは客を差配する担当の人がいて、きちんと覚えています。
その方は入店するとすぐに「(ロース、ヒレ、串)どれにしますか」と聞くのです。
なので入ってすぐに「誰が何人組で何を注文したか」を把握し、客が席に着いたらすぐに出せるようにするのです。

どうやって顔と注文を一致させるのかはわかりません。
暗記なのか伝票に印をつけるのか。
それを間違わないのは凄い。
確かに詰めると、奥に長い店内を端から端まで歩くことにもなりかねず、非合理的なのかもしれません。

ちなみに「定食」と言い足さなくても、基本は定食になります。
常連だと「ヒレに串一本」などと注文します。
ヒレ定食に串カツ一本ついてくる、ということになります。
ビールはカウンターについてから頼みました。
ご飯は後にしますか?と聞かれます。つまみにピーナッツが出ます。

そしていよいよ料理です。
私は串にしたのですが、元来肉だけをそれほど好んで食べないので、タマネギがいい塩梅に舌を楽しませてくれました。
美味しかったですね。衣は薄くてサクサク、少し肉は固めだけど、それが好み。
ジューシーじゃないという評もありますが、今の料理が油っこすぎるのかもしれません。

キャベツは新鮮でシャキシャキ、いちいちお代わりといわずとも、見計らって盛ってくれます。
なにより、豚汁がうまい!主食が肉なので、野菜が多い豚汁ですが、これが美味しいのなんのって。

トンカツはあまり食べ歩きしないので、相方がとんきは一番衣が薄いと言ってました。
あんまり厚いと揚げパンやお菓子の食感を連想してしまうので、薄い方が好みかも。
でも串カツは瞬時にばらけるので、ちょっと食べにくいかも。
一緒に口に入れてしまうので、結果的には変わりませんが。

池波正太郎が通っていた時代とは、味はもしかしたら劣っているのかも知れませんし、その頃庶民感覚で食せたことを考えると、値段は高いと思いますが、キビキビ動く職人たちの様子がさっぱりと気持ちいいので、行く価値はあると思います。

キビキビとセカセカは違うんですね…と痛感した一日でした。


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假屋崎省吾「百花繚乱」展 [★和の催し]

■目黒雅叙園

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今年は初の試みということで、夜間撮影許可の時間帯が儲けられました。

通常券で入れますが、通常時間帯から、夜間帯に居続けはできませんでした。
17時に着いたので、17:30まで待つしかありませんでしたが…、雅叙園の中って、気軽に待つ場所がないんですよね(笑)。
奥にいけば行くほど結婚式など行ってるし。
同じチケット代ならどちらでもいいような気もしますが、混雑回避のためでしょうか。

今回で3回目の假屋崎&目黒雅叙園ですが、今年もまたきらびやかで豪華。
あまり今までとがらりと変わるような印象は受けませんでしたが、今年は特に青やオレンジ、ピンクが効果的に使われていると思いました。あと、フォックスフェイスという花(ナスツル)が至るところでふんだんに使われていました。

【十畝の間】【漁樵の間】では「こびとづかん」とコラボしていて、着色された白樺の枝や果物の陰などに点在。
子供たちは喜んでいましたが、私は要らないなと思う。

目黒雅叙園の部屋の高さや広さに制約があるからなのか、白樺の木を着色するのが毎回定番ですね。
木に着色しているのでマットな質感になり、いい風あいがあります。

假屋崎プロデュースの着物や帯も花の後に飾られて華を添えてまさに「百花繚乱」でしたが、花の方が豪華で着物が完全に背景に(笑)。
ただし【漁樵の間】に置かれてい、色無地のような暈しのあしらわれた着物は、淡い発色が逆に目を引きました。

一番好きなのは【清方の間】の、橙と白を基調とした活け花。
部屋からあふれでる柔らかな木漏れ日という風情。
この部屋の鏑木清方の娘道明寺と白井権八の絵が、今や歌舞伎ファンとなった私に新たな楽しみを与えてくれました。
以前来たときは歌舞伎に親しんでなかったので、形式上きれいだな、と感じるのみでしたが。

今回の目玉は、やはり【星光の間】に置かれていた絵画でしょう。
光の変化で朝から昼、夜と映像のように絵が変化します。
ある日本的な田舎の風景に一本の立派な桜の木が生えているのですが、明るいライトでは二部咲き、暖色のライトを当てると五分咲き、ブラックライトのようなものをあてると満開になり夜桜が楽しめるという趣向。

スタッフに聞いたところ、絵画は普通に描いてあり、その上に特殊な顔料を塗っているのだそうです。
アールルネッサンス社の、アールグラージュという技術だそうです。
この絵画の主題…というかプロデュースしたのは假屋崎で、絵画を描いたのはある日本画家ということですが、スタッフはそのかたの名前は仰ってくれませんでした(笑)。

●HP…http://www.artrenaissance.co.jp/


最上階の部屋には、今までの假屋崎省吾の旅行写真と作品のパネルがありました。
場所によっては通常イメージする生け花をそのまま巨大にした作品も多く、雅叙園のが一番個性的だと感じました。
部屋の豪華さに負けないようにしているためでしょうか。
ただの観光写真も、それなりにまあ…面白かったです(笑)

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↑こういった花器もプロデュース作品

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↑後ろに着物があるのが見えますでしょうかw

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↑ウニや蟹っぽくもある

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↑青い葉が小舟のよう

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↑血管のよう。花からエネルギーの飛沫が出ているよう

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↑これ以上近寄れませんでしたが、奥がアールグラージュです

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↑花梨がかわいい

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↑娘道明寺

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↑この色の組み合わせが一番好きです


目黒めぐり④~海福寺 [◇江戸寺社・史跡めぐり]

禅宗の一つ、黄檗宗の寺です。五百羅漢寺に隣接ですが、帰りに寄りました。
ひっそりと小さくも、しかし小奇麗な境内には、なぜか江戸の大惨事「永代橋の崩落」による死者への供養塔や、武田信玄の屋敷内にあったとされる塔がありました。
【江戸名所図会】に記載されていたとあり、webでその図を入手できたのですが、説明書きが読めない!(笑)

永代橋のことは看板に詳しくありました。こちらに移ってきたのですね。

また、他の寺から移築したという朱色の四脚門があり、江戸中期の建築の特徴をみることができる、とあります。
建築史には詳しくないので、どこがどうとはいえませんが、大伽藍の山門よりもこじんまりとしてとても美しい。
鳥居をくぐる感覚に似ています。

鐘は、「武州江戸中村喜兵衛藤原正次の件で、中国の鐘の形式に似ながら日本の古鐘の形式に範をとるという特異な考案によるもので、江戸時代の梵鐘中でも類例の少ない遺品です。」と書いてありました。
和洋折衷ならぬ和中折衷?

>>看板抜粋
文化4年(1807)8月の江戸深川富岡八幡宮の大祭は11年ぶりに催されたため大変な賑わいであった。当日、人々は永代橋を渡って深川にやってきたが、その折、永代橋が崩落し多数の溺死者を出すという江戸はじまって以来の大惨事が発生した。

この供養塔及び石碑は、その落橋事件の溺死者の100日忌、50回忌、77回忌、91回忌の折に、深川寺町通り(現江東区深川2丁目付近)にあった海福寺境内に建立された。(中略)海福寺は、明治43年(1910)目黒区下目黒3丁目の現在地に移転したが、これら供養塔もそのとき一緒に移設され、現在に至っている。

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↑境内には民家も。かつては広大な土地を有していたのでしょうか

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↑供養塔

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↑信玄ゆかりの九重の塔

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↑口の部分が流線型になっているのが中国様式なのでしょうか


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↑よく手入れされた美しい境内です
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