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伊賀越道中双六 [★伝統芸能]

■国立劇場

●四十四年ぶり岡崎の上演!


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日本三大仇討ちのひとつで、『伊賀上野の仇討ち』の通し狂言。
吉右衛門が主役の唐木政右衛門を演じるというので、楽しみに見て参りました。

吉右衛門はあだ討ちの助太刀をする役。
沢井又五郎という家臣が家老・和田行家を殺害。その子息・志津馬は至極当然に仇討ちを決意。
政右衛門自身も妻・谷が行家の娘という身分なので、正義に燃える。

その岡崎の幕は、夫の行方を案じさすらう妻・谷が、たまたま一晩の宿を求める場面。
その家はなんと沢木に味方し、なおかつ政右衛門の師でもある幸兵衛の家だった。

しかも丁度政右衛門も、敵の行方を探るべく、自身の素性(雇われ先や現在の縁故)を隠して、かつての師の家に身を寄せていた。今自分の素性がばれては困る政右衛門は、凍えて死んでしまいそうな雪のなか乳飲み子を抱えた谷を、家人に「怪しい」と言って追い払う。

まあその時の吉右衛門の苦悶の息遣いが上手。我が子が凍えて死んでしまいそうな事を切々と訴える谷に駆け出したい心を抑えながら、家人のために煙草を刻み続ける際の手の震えや細かい演技が、あの広い空間に伝わるのが凄いです。

芝雀演じる谷は体力がなくなり凍えているので、ほぼ地面に座ったままの演技。
その涙声が、丁度全く反対側にいる私の席には聞き取りづらく、それがすこぉし残念でした。

志津馬に恋してしまう幸兵衛の娘・お袖に、米吉。これがまあまた可愛らしさに磨きがかかって初々しいのなんの。あの手この手で志津馬の気を引こうとする場面は、隣の外国人でさえクスッと微笑んでいました。

歌昇君がそれほど出番がなかったの残念。もちろん捕手頭の稲垣という美味しい役なのではありますが。
彼は役柄的に途中の「だんまり」の場面と、最後の幕「大詰」の大捕物のシーンに登場。
捕物連中が多くて、見失うこともしばしば。だんまりの又五郎のコメディアンぶりには笑いました。役者ですねぇ。

隣の外国人は大詰の幕だけ見ずにいなくなってしまいました!!
せっかく眠気にも耐えていたのに一番美味しいところを見逃すとはねぇ…
とにもかくにも吉右衛門の演技をとっくりと味わうことができました。


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